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【完全保存版】NebulaによるAI自律型ペネトレーションテスト——業務フロー統合からCI/CD連携まで

本記事は、オープンソースAIペンテストツールNebulaの基本から応用までを徹底解説します。セットアップ手順、端末操作の流れ、CI/CDへの組み込み、プラグイン開発、さらにはチーム運用のノウハウまで、これ一つで網羅。AI時代のセキュリティ担当者必読の永久保存版です。

目次

  • 1. Nebulaとは何か?
  • 2. 機能詳細とアーキテクチャ
  • 3. インストールと初期セットアップ
  • 4. 基本的な使い方:ChatOpsスタイルで操作
  • 5. 自律モードによる完全自動ペンテスト
  • 6. Flask+Reactで作る社内スキャンプラットフォーム
  • 7. GitHub Actions連携:夜間定期スキャンの自動化
  • 8. モデルチューニングとマルチモデル比較
  • 9. チーム運用とPenTestOps
  • 10. ケーススタディ:実践レポート作成の自動化
  • 11. FAQ:よくある質問と回答
  • 12. まとめと今後の展望
  • 付録A:Mermaid図で見るフロー全体像
  • 付録B:サンプルコード全文

Nebulaとは何か?

AIとセキュリティの融合が進む現代、Nebulaは革新的なアプローチでペンテストを自動化します。AI搭載のペネトレーションテスト支援ツールとして、従来の手動スキャンや手作業によるレポート作成を劇的に短縮し、組織のセキュリティ評価を迅速化。Berylliumチームが開発・公開し、オープンソースとしてコミュニティに貢献しています。AIがReconから脆弱性検出、簡易的なエクスプロイト試行まで自律的に実行し、ログや発見事項を詳細に記録。セキュリティ実務者の業務負荷を大幅に軽減するとともに、ペネトレーションテストの品質を担保します。

機能詳細とアーキテクチャ

Nebulaは大規模言語モデル(LLM)と実在のペンテストツール群をシームレスに統合。Nmap、crackmapexec、OWASP ZAP、Niktoなどをバックエンドで連携し、LLMがコマンド出力を解釈して次のアクションを判断。CLIベースの操作ながら、自然言語コマンドでステップを指示可能。自律モードではRecon→スキャン→簡易認証試行→レポート生成までをワンストップで実行します。アーキテクチャはCLI+Pythonスクリプト+プラグイン機構で構成され、ユーザーはモデルやプラグインを追加・カスタマイズすることで、独自要件に柔軟に対応できます。

インストールと初期セットアップ

まずはPython環境を用意。推奨はPython 3.8以上。仮想環境を作成し、Nebulaをインストールします。

python3 -m venv nebula-env
source nebula-env/bin/activate
pip install --upgrade pip
pip install nebula-ai

初回実行時にLLMモデルをダウンロード。GPU・CPUモードを選択し、数GBのモデルデータを取得します。

基本的な使い方:ChatOpsスタイルで操作

CLIに「!」付きの自然言語コマンドを入力すると、対応するペンテストツールを実行。

nebula !
enumerate 192.168.1.10

NebulaがNmapスキャンをバックグラウンドで実施し、結果を解析して次のアクションを提案。続けて!

nebula !
find vulnerabilities on http://192.168.1.10

このように対話的に進めるだけで、Reconから脆弱性検出、簡易エクスプロイト試行までがスムーズに連鎖します。

自律モードによる完全自動ペンテスト

自律モードを有効化すると、許可範囲内でRecon→スキャン→簡易エクスプロイト→レポート生成までを自動実行。

nebula --autonomous-mode !
enumerate corp-net.example.com

自動実行ロジックはAIが判断し、最適なツールをシーケンシャルに呼び出します。人手介入ゼロでも最初から最後まで完結。

Flask+Reactで作る社内スキャンプラットフォーム

Webアプリに組み込む場合は、以下のアーキテクチャがおすすめ。

flowchart LR
  subgraph Backend
    A[Nebula CLI] --> B[Scan Service (Flask)]
    B --> C[(Results DB)]
    B --> D[Task Queue (Redis+RQ)]
  end
  subgraph Frontend
    E[React + MUI Dashboard]
  end
  A --- B
  B --- E
  B --- F[Slack/Webhook]

バックエンドはFlask+RQ、フロントはReact+Material‑UI。Scan ServiceがNebula CLIをサブプロセスで呼び出し、WebSocketで進捗をプッシュ。

GitHub Actions連携:夜間定期スキャンの自動化

CI/CDに組み込む例(GitHub Actions):

name: Pentest Nightly
on:
  schedule:
    - cron: '0 2 * * *'
jobs:
  pentest:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v3
      - name: Setup Python
        uses: actions/setup-python@v4
        with:
          python-version: '3.11'
      - run: |
          pip install nebula-ai
          nebula --autonomous-mode ! enumerate prod.example.com
      - name: Upload Reports
        uses: actions/upload-artifact@v3
        with:
          name: pentest-reports
          path: engagements/

定期実行で常に最新の脆弱性状況を社内に共有できます。

モデルチューニングとマルチモデル比較

Nebulaは複数のLLMをサポート。モデルによって出力品質が変化するため、用途に応じて選択可能。

nebula --model llama‑3.1‑8B‑Instruct ! enumerate target
nebula --model mistralai/Mistral-7B-Instruct-v0.2 ! enumerate target

複数モデルでスキャン結果を比較し、誤検知や見落としを減らす手法を紹介します。

チーム運用とPenTestOps

組織で運用する際のポイント:

  • エンゲージメント管理:プロジェクトごとにフォルダ分け
  • ログ・レポート共有:WikiやConfluenceに自動投稿
  • Slack/Webhook連携:検出通知を即時配信
  • 自動チケット起票:JIRA/GitHub Issuesへの連携
  • 定性調査とのハイブリッド:AIで拾えないポイントは人手対応

PenTestOpsとして、ナレッジベースの整備や振り返りミーティングの自動スケジューリングまで含めた運用を提案します。

ケーススタディ:実践レポート作成の自動化

実際の検証結果をMarkdown形式で自動生成し、PandocでPDF化するワンライナー例:

pandoc engagements/CorpNet-*/notes.md -o report-$(date +%F).pdf

発見事項にはAIが注釈を付与済みで、コメントを手直しするだけで即時提出可能。

FAQ:よくある質問と回答

  • Q: Nebulaは完全自動で安全ですか?
    A: AI誤解釈リスクがあるため、最初は監督運用推奨。
  • Q: 商用利用ライセンスは?
    A: オープンソースMITライセンス。商用も可。
  • Q: モデル変更はどこまで可能?
    A: HuggingFace上のInstruct系モデルなら自由に指定可能。
  • Q: チームでの同時実行は?
    A: Nebula Pro版が並列実行・エンゲージメント共有機能を提供。

まとめと今後の展望

NebulaはAI技術を活用し、ペネトレーションテストの自動化を次のレベルへ引き上げるツールです。今後はLLMの高度化やリアルタイム協調機能、攻撃シミュレーション精度のさらなる向上が期待されます。本記事の手法をベースに、自社環境に合わせた最適化をぜひお試しください。

おまけ:次世代AIペンテストプラットフォーム構築

1. 全体アーキテクチャ設計

  1. Nebula CLI
    • pip install nebula‑ai で導入可能。CLI経由でRecon→スキャン→レポート作成を自動化できます PyPI
    • ソースはGitHub上の berylliumsec/nebula リポジトリで公開されています GitHub
  2. Scan Service (Flask)
    • Python+FlaskでREST/WebSocket APIを提供し、バックグラウンドでNebula CLIをsubprocess呼び出し。
    • 進捗はリアルタイムでフロントエンドにプッシュ可能。
  3. Results DB
    • スキャン結果・注釈ログを構造化して保存。PostgreSQLやSQLiteがシンプルで扱いやすい。
  4. Task Queue
    • RQ(Redis Queue)などでジョブを非同期実行し、長時間実行でもWebサーバーをブロックしない。
  5. Frontend (React + Material‑UI)
    • ダッシュボードからターゲット登録、スキャン状況確認、レポート閲覧が可能。
    • WebSocketでログ/進捗をストリーミング表示。
  6. CI/CD & Alerts
    • GitHub ActionsやGitLab CIに組み込み、夜間定期スキャンを自動化 Beryllium
    • SlackやTeamsへの通知もWebhookでシンプルに実装。

2. 実装例:FlaskによるScan Service

# app.py
import os, subprocess, uuid
from flask import Flask, request, jsonify
from flask_socketio import SocketIO, emit
from rq import Queue
from redis import Redis

app = Flask(__name__)
socketio = SocketIO(app, cors_allowed_origins="*")
redis_conn = Redis()
task_queue = Queue(connection=redis_conn)

NEBULA_CMD = "nebula"  # CLIコマンド名

def run_scan(job_id, target):
    """バックグラウンドでNebulaスキャンを実行し、進捗をSocketIOで通知。"""
    cmd = [NEBULA_CMD, "--autonomous-mode", "!", f"enumerate {target}"]
    proc = subprocess.Popen(cmd, stdout=subprocess.PIPE, stderr=subprocess.STDOUT, text=True)
    for line in proc.stdout:
        socketio.emit(f"scan_progress_{job_id}", {"line": line.strip()})
    proc.wait()
    socketio.emit(f"scan_done_{job_id}", {"status": proc.returncode == 0})

@app.route("/api/scan", methods=["POST"])
def start_scan():
    data = request.get_json()
    target = data.get("target")
    job_id = str(uuid.uuid4())
    task_queue.enqueue(run_scan, job_id, target)
    return jsonify({"job_id": job_id}), 202

if __name__ == "__main__":
    socketio.run(app, host="0.0.0.0", port=5000)
  • ポイント
    • task_queue.enqueue で非同期にスキャンを実行。
    • SocketIO でクライアントにリアルタイムにログをプッシュ。
    • 成果物(ログ・レポート)はあらかじめ決めたディレクトリに保存し、DBにメタ情報を登録しておくと良いでしょう。

3. フロントエンド例:リアルタイムダッシュボード

// ScanDashboard.jsx
import React, { useState, useEffect } from "react";
import io from "socket.io-client";
import { Button, TextField, List, ListItem } from "@mui/material";

export default function ScanDashboard() {
  const [target, setTarget] = useState("");
  const [logs, setLogs] = useState([]);
  const [jobId, setJobId] = useState(null);
  const socket = io("http://localhost:5000");

  const startScan = async () => {
    const res = await fetch("/api/scan", {
      method: "POST",
      headers: { "Content-Type":"application/json" },
      body: JSON.stringify({ target })
    });
    const { job_id } = await res.json();
    setJobId(job_id);
    setLogs([]);
    socket.on(`scan_progress_${job_id}`, data => {
      setLogs(prev => [...prev, data.line]);
    });
    socket.on(`scan_done_${job_id}`, data => {
      setLogs(prev => [...prev, data.status ? "完了" : "エラー"]);
    });
  };

  return (
    <div>
      <TextField label="ターゲット" value={target} onChange={e => setTarget(e.target.value)} />
      <Button variant="contained" onClick={startScan}>スキャン開始</Button>
      <List>
        {logs.map((line, idx) => <ListItem key={idx}><code>{line}</code></ListItem>)}
      </List>
    </div>
  );
}
  • Material‑UI(MUI)でシンプルに構築。
  • WebSocketでログ行を逐次受信し、リスト表示。

4. 拡張アイデア・高度化

  1. 結果の自動解析 & レポート生成
    • NebulaのAIノート(notes.md)をMarkdown→HTML/PDFに変換し、社内ポータルに配信。
  2. マルチモデル比較
    • nebula --model mistralai/Mistral-7B-Instruct-v0.2 など複数モデルでスキャンを走らせ、検出結果の違いを可視化 GitHub
  3. プラグイン機構
    • スキャン後に社内独自ツール(例:SAST/DASTエンジン)をAPI連携。
  4. 自動チケット起票
    • 脆弱性検出時にJIRAやGitHub Issuesを自動で作成し、開発フローに組み込む。
  5. ダッシュボード分析
    • 各エンゲージメントのスコアリング(CVSSや社内基準)をDBに保持し、時系列で可視化。

これらを組み合わせることで、Nebulaを“単なるCLI”から、エンタープライズレベルのAI駆動型ペンテストプラットフォームへと昇華させることができます。